世界で行われている紛争

○シリア内戦

今なお続く紛争の中でも甚大な犠牲者を出しているのがシリア内戦です。
その凄惨さは21世紀最大の人道的危機と表現されることもあります。

これでわかる「シリア内戦」の全貌〜そしてイスラーム国が台頭した

シリア内戦はチュニジアから始まったアラブの春がきっかけとなり2011年に勃発しました。
アラブの春では民主化を求めて人々が結束し国を大きく動かすという歴史的な転換を見せ、シリア国内でも事実上の独裁政権であるアサド政権への反発の動きが強まります。

人々の抗議が強くなるにつれてアサド政権と国民だけでなく世界を巻き込む紛争となりました。
アサドが大統領に就任したのは2000年からで、当時は政治的な腐敗と戦う姿勢を見せていました。

しかし次第に独裁者としての一面が濃くなり、権力保持のためならばシリア国民の生活を犠牲にするようになります。
アラブの春に感化された若者たちが中心となってアサド政権を打倒しようとしましたが、アサド政権は殺害など厳しい罰を与えました。

これを受けて多くの国民がアサド政権に反発するようになり、一部の地域は反体制派と同盟組織が統治するほど勢力が拡大しました。
反体制派・同盟組織とアサド政権・軍事化にある地域という構図が完成します。

○イスラム過激派組織であるISが介入

これらの対立が深刻化すると、イランやサウジアラビアなどの周辺国も他人事ではありません。
さらにシリア国内が混乱していることに乗じて、イスラム過激派組織であるISが介入します。

ISは彼らが理想とする国家を樹立し中東を支配するためならば手段を選ばないため、シリア国内で残虐な行為を繰り返しました。
世界の安全を揺るがすISが登場したことで、アメリカやロシアなど強大な軍事力を持つ国が介入せざるを得なくなりました。

アメリカなどの多国籍軍とロシアは空爆などでISを排除しました。
アメリカは反体制派、ロシアはアサド政権と支持するグループは異なりましたが、ISを掃討したいという目的においては利害が一致しており連携できました。

ISの恐怖から解放された後も、アサド政権による少数民族への武力行使など解決する見込みはありません。
シリア内戦で人道的な問題を指摘されるのは、アサド政権が国民の化学兵器を用いた可能性があるためです。

○民間人を大量に殺害し世界を震撼させた

戦闘員ではない民間人を大量に殺害することは世界を震撼させました。
関係ない人々の生活まで奪ったという問題は難民の数からも分かります。

シリア内戦では国民の半数が国外退去を余儀なくされました。
シリア難民の90%にあたるおよそ350万人はトルコにいますが、難民キャンプに収まりきっていません。

100万人以上のシリア難民はレバノンに逃げましたが、これはレバノン総人口の5分の1で生活するために必要なお金や物資を集めるのにとても苦労しています。

2015年には難民がヨーロッパに大量に押し寄せる事態に発展しました。
難民たちがヨーロッパで安定した生活を送りたいと考えるのは普通のことです。

しかしヨーロッパに住む人々は、たくさんの難民が国に居続けることに不安を感じる結果となりました。
多くの難民を受け入れる国では彼らに物や仕事が奪われる恐れがあります。

○宗教問題も絡んでおり紛争が長引いている

自国の問題は自分たちで解決し、他国の問題は他国の中だけで解決して欲しいという自国第一主義が広がるようになります。
この頃からヨーロッパ各国では保守的だったり愛国心に溢れていたりする政治家が当選し始めました。

難民が押し寄せることで国が混乱する状況は現在は落ち着いていますが、世界的に難民が溢れかえっているのは変わりません。
国内に残ったシリア人はいつ武力攻撃によって命を落とすか分からない環境に身を置いています。

一見反体制派とアサド政権という単純な構図ですが、宗教問題も絡んでおりこの紛争を長引かせています。
イスラム教には大きく分けてスンニ派とシーア派があり、アサド政権はアラウィー派というシーア派に属します。

よってシーア派が多数派であるイランはアサド政権を応援しています。
トルコやサウジアラビアなどはスンニ派でイランと思想を共有できないため、イランの弱体化を狙って反体制派に付きました。

○独立のための戦いと捉えているクルド人

このように周辺国の勢力争いも関係したことで、お互いが支援するグループに物資などを供給することでいつまでも戦うことができます。
また少数民族であるクルド人はこの紛争を独立のための戦いと捉えています。

彼らはアメリカが創設した有志連合に協力部隊として尽力し、ISと真っ向から戦いました。
クルド人勢力はISに抵抗することで、テロと戦うことを世界に示し軍事や外交を確立しようとしていました。

しかし当初テロとの戦いはISだったのに対し、アメリカはイランへの強硬な態度という形でクルド人勢力の思惑をねじ伏せ独立は成功しませんでした。
一方でトルコにとってもクルド人勢力が力を付けることは危険因子なので、ISというテロとの戦いとクルド人勢力に向かうように利用しました。

日本ユニセフも警鐘を鳴らしていますが、このように各国が利益のために戦争を続けているため、シリア内戦は複雑化し収束していません。

出典:日本ユニセフの評判や口コミは?

発展途上国や紛争地域の人々を助ける日本ユニセフ協会の活動と募金

恵まれている日本

国内でも貧富の差は広がっているとはいえ、日本は世界的に見ると経済的には豊かな国です。
多くの日本人は暖かい室内で温かい食事を食べ、布団やベッドの上で眠ることができます。

子どもの教育についても日本は充実しており、小学校から中学校までは義務教育です。
待機児童などの問題はあるもの幼児教育も充実していて、高校や大学も学力や経済的な理由がなければ誰でも通えます。

さらに教育だけでなく医療も日本は世界的には最先端で、保険制度により医療費が高額になっても問題ありません。
気軽に病気を治療できる街のお医者さんから最先端の大病院があり、衛生的な環境で高度な医療を受けられます。

経済や教育に医療など、現在の日本の社会構造に全く問題がないわけではありません。
しかし世界的には日本は恵まれており、安全に暮らせる国と言えるでしょう。

発展途上国の子どもたちの実態とは

豊かな日本で暮らしていると忘れがちですが、世界には一日を過ごすだけでも様々な困難に直面する人々がいます。
例えば、発展途上国の子どもたちです。

アフリカやアジアなどの発展途上国に暮らす子どもたちは、学校に通い高度な教育を受けられるのはほんの一握りです。
多くは経済的な理由などで学校に通うことができず、大人になっても字を書けない・読めない人は多数います。

国民の識字率が低いと経済の発展に悪影響を及ぼし、時代の子どもたちにも貧困は連鎖します。
そのためいつまで経っても自力で発展することができず、紛争が起きる原因にも繋がっていきかねません。

また中東などの紛争地域では、家を失い暖かい部屋で暮らすことができない人々もいます。
さらに衛生管理も徹底されず伝染病が流行したり栄養失調から、長く生きられない子どもたちも少なくありません。
毎日何不自由なく日本で暮らしているとイメージしづらいですが、現在も世界のどこかでは一日を生きるのにも困っている人々がいるのは現実です。

日本ユニセフ協会の役割

こうした世界中の発展途上国や紛争地域で困難に直面する人々に対し、日本から支援の手を差し伸べているのは日本ユニセフ協会です。
日本ユニセフ協会では世界の現実を忘れがちな日本人のために、テレビやラジオなどを通じて広報活動を行っています。

詳細は「日本ユニセフ協会とは?何をしている団体?」を参照

様々なメディアを通じて広報活動を行うことにより、日本人は世界の現実を知ることが可能です。
テレビやラジオのCMなどを通して世界中で困難に直面する人々の現実を知れば、少しでも支援したいと考える人は多いでしょう。

日本人が支援の手を差し伸べたいと思ったときに、頼りになるのも日本ユニセフ協会です。
メディアを通した広報活動だけではなく、様々な方法で募金を受け付けています。

募金の方法で一般的なのは、街角にある募金箱です。
コンビニエンスストアやレストランなどの一部店舗では、レジの横に募金箱を設置し支援を受け付けています。
レジの横にある募金箱なら、細かいお釣りを入れるなどして気軽に支援することが可能です。

困っている人を支援するときは、一度に大金を使ったり面倒な手続きが必要だと思いがちです。
しかし支援は金額ではなく積み重ねることが大事なので、細かいお釣りから始めても問題ありません。
募金箱ならお金を入れるだけで支援できるので、第一歩としてはベストな方法と言えるでしょう。

郵便局や銀行からの振込でも募金を受け付けている

もちろん一度に多額の支援をしたいときには、別の方法を使うのが良いです。
日本ユニセフ協会では、郵便局や銀行からの振込でも募金を受け付けています。
毎月お案じ金額を支援し続けるプログラムも用意されているので、一度手続きをすれば自動的に続けることが可能です。

さらにもっと気軽に募金ができるように、クレジットカードや携帯電話料金と一緒に払う方法もあります。
電子マネーを使って募金をすることもできるので、面倒に感じる手続きはほとんどありません。

普通のお買い物と同じ感覚で支援をすることができますから、興味があるなら積極的に行うべきでしょう。
日本ユニセフ協会を通して募金をすれば、様々な方法で世界の国や地域で困っている人々を助けることができます。

例えば鉛筆やノートを贈る小さな支援から、一クラス分に相当する教材セットまで届けることができます。
教育の分野以外にも、子どもの病気を予防するワクチンや緊急時に使える医療設備など様々です。

日本ユニセフ協会の公式サイトをチェック

わずかな金額だと募金をしても意味がないと思いがちですが、ホームページには金額と支援できる内容がまとめられているので、目を通しておくとイメージがしやすくなり人助けをしている実感も湧くでしょう。

日本ユニセフ協会では募金を集めるだけでなく、積極的に様々な情報を公開し活動への理解を求めています。
こうした公式な情報に日頃から触れておけば、誤った情報を見聞きしても一瞬で嘘だと見抜くことが可能です。

ネットには様々な情報が溢れていて真実のように書かれていることもありますが、正しい知識を学んで活動への理解を深めておけば、賢い選択と行動ができるようになるでしょう。